バイオ・化学系の資格で有名なのが”危険物取扱者試験”である。都道府県ごとに年に複数回実施、移住地以外の都道府県でも受験可能なため、機会が多いという意味ではチャレンジしやすい資格といえる。
目次
役に立つのか?
危険物取扱者以外の者だけで危険物を扱うことはできない。そのため、危険物取扱者が危険物を扱う職場に最低一人は必要である。しかし、一人いればよいともいえるので、必須とまでは言えないだろう。
難易度
近年の試験状況はこちら。
乙4が最も受験人数が多く、需要が高いことがわかる。乙4の合格率が一番低く、甲種の方が簡単そうに見えるが、難易度が高いのは甲種の方なので注意。甲種は受験資格として、特定の学科を卒業していること、あるいは実務経験が必要なため、元々のある程度の知識を有している人が受験する。一方、乙4は受験資格が不要で誰でも受験可能なため、合格率が低くなっているものと推測される。
甲種と乙4どっちをとるべき?
どっちでもOKだけど、個人的には甲種をおススメする。
まず、危険物取扱者の資格が業務にどのくらい必要とされているか簡単に調べてみよう。
転職サイトで、「危険物取扱者 甲種」「危険物取扱者 乙種4類」と検索してヒット件数をみてみよう。危険物取扱者(甲・乙)とセット記載されていることが多く、甲種も乙4も同じぐらいの需要といえる。需要が同じぐらいならば、難易度の低い乙4で十分と判断できる。
しかし、受験資格のある人や時間に余裕のある人には甲種をおススメする。
理由は
①乙種・丙種の上位互換資格のため甲種はすべての危険物が扱えるから
②昔に比べると甲種の合格率が上昇しているためである。数年前は、甲種の合格率30%ちょい、近年は40%前後にあるので、今は比較的合格しやすいのでないだろうか。
甲種 試験概要
〇試験科目 危険物に対する法令 15問
物理学および化学 10問
危険物の性質ならびにその火災予防および消化の方法 20問
〇試験時間 2時間30分
一定時間経過すると途中退室できる。会場の半数以上が途中退出していたので、試験時間については余るぐらいだと思う。
〇合格基準 各科目60%以上
物理学および化学は10問しかないので1問あたりの重みが大きい。慎重に解こう。
〇出題形式 5つの選択肢から1つを選ぶマークシート方式
勉強方法
参考までに甲種を取得した私の勉強方法をのせておく。
・勉強時間:約100時間(2か月ちょい)
・使用テキスト:ユーキャンの甲種危険物取扱者 速習レッスン
※赤いシートをかぶせても赤文字がうっすら見えるタイプなので注意である。
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- ポイント1.勉強する順番
①危険物に対する法令→②危険物の性質ならびにその火災予防および消化の方法→③物理学および化学の順がおススメである。①危険物に対する法令と②危険物の性質ならびにその火災予防および消化の方法はたくさん覚えることがあるので先に手をつける。
合格には①②③の分野で60%以上必要なので満遍なくやる必要がある。量が多くしんどい分野ほど先にやっておいたほうがよい。
- ポイント 2.語呂合わせを使う。
とにかく暗記暗記暗記である。テキストには楽しい語呂合わせがたくさんのっているので、ぜひ語呂合わせを活用して覚えよう。
- ポイント 3.抽象化やカテゴリー化して暗記量を減らす
・〇は350℃で分解、△は200℃で分解
→高温で分解と覚える
出題される可能性の低い数字は抽象化して覚えた。保安距離など具体的に覚えないといけない数字はあるのですべてには適用できないが。
・水に溶ける、エタノールに溶ける、ジエチルエーテルに溶ける、二硫化炭素に溶ける・・・
→水/アルコール/溶媒のどれに溶けるかのカテゴリー別の識別に置き換えて覚えた。
- ポイント 4.過去問や問題集を解く
危険部取扱者試験は年に何度も開催されているので類似の問題が出題される。これだけ年に何回も試験してたら試験問題のネタもきれてしまう。過去問や問題集を解くことは合格に直結する。
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これ、カテゴリーごとに要点のまとめページも書いてあるし、問題数も多く充実している。
ただ量が多いので全部はやりきれないと思う。
雑感
私は大学院を修了してから数年たって受験したので化学の知識が抜けおちており、時間がかかったと思う。受験時期としては知識がまだ残っている大学卒業してすぐがベストといえる。また現在業務で使用していないので、免状の写真を10年で変えないといけないこと(免状の書き換え)を忘れてしまいそうである。